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Kumaft Tsushin

クマふと通信2022年8月号
Kumaft Tsushin

熱帯夜を快適に。知っておきたい夜の熱中症対策

アジアをはじめ、ヨーロッパ、アメリカなど世界的に連日体温越えの記録的な猛暑が続いています。日中の強い陽射しの下での外出時には十分な水分補給などが必要ですが実は熱中症に最も注意する必要があるのが夜間、特に睡眠中だといいます。例年、8月の熱帯夜の日数は7月の2倍近くとなっていることから、この夏も夜間の熱中症に十分な注意と対策が必要です。
今回は夜間の熱中症の正しい対処方法についてご紹介して参ります。

なぜ夜に熱中症?

熱中症による死亡者総数

東京都の2019(令和元)年6~9月の統計によると、熱中症による死亡者総数135人のうち約3割(40人)が夜間に亡くなっています。これは決して少ない数とは言えません。では夜間に熱中症を発症する原因はどんなところにあるのでしょうか?まず室温が下がりにくくなっている環境が原因として考えられます。昼の高温によって家の天井や壁に蓄積した熱が夜に放射熱となって室温を上昇させ、そのまま下がりにくくさせてしまうことがあります。
夜間は直接陽射しが入る事はありませんが、すだれや遮光カーテンなどで直射日光を遮る事やこまめな換気を心掛けておくことが重要です。

換気  遮光

高齢の方は特に注意が必要です

体内の水分量

右図のように高齢の方は若年者より体内の水分量が少ない上、体内の老廃物を排出するのに沢山の尿を必要とします。また、加齢により暑さや喉の渇きに対する感覚が鈍くなっています。また睡眠時は水分の補給がなされず、汗による排出だけになってしまうため脱水症状が起こりやすくなります。約29℃の室温で約8時間の睡眠をとった場合、体から約500mℓもの水分が失われるそうです。
熱中症の初期には頭痛をはじめ、めまいやほてり、倦怠感(だるさ)、筋肉のけいれんなど、様々な症状が現れます。昼間なら自覚できるこれらの症状は、睡眠中にはなかなか気付くことができないので、症状が進行して重症化してしまうというリスクがあるのです。

筋肉量の減少による水分不足も注意

コロナ禍での運動不足も熱中症を引き起こす可能性があるそうです。新型コロナウイルスのまん延で運動の機会が減少し体力の低下や筋肉量の減少が危惧されています。筋肉量が減ると脱水症を起こしやすくなるので注意が必要です。体内に吸収された水分は筋肉中の細胞に蓄積される性質がありますが、筋肉量の減少によって体内に貯蔵される水分量も減少し、そこへ猛暑も加わって水分不足による脱水症状=熱中症を引き起こしやすくなるのです。

夜の熱中症を防ぐには?

水分補給

①こまめな水分補給を!
寝る前だからと水分を我慢せずに、喉が渇いていなくてもこまめな水分補給を習慣づけましょう。また、汗をかいた時は適度な塩分補給も必要です。
②エアコンを有効活用しましょう!
寝室でもためらうことなくエアコンを適正に使用して室温が28℃を超えないように設定しましょう。エアコンの冷気が苦手な方は風が直接当たらないように風向きや風量を調整しましょう。
屋内死亡者令和元年夏期の熱中症室内死亡者のクーラー使用率を調査した結果、85.2%はクーラーを使用していなかった事が明らかになっています。
③暑さを感じなくても温湿度を実感しましょう!
暑さを感じにくい高齢の方でも部屋の見やすい場所に温湿度計を設置し、今が何度なのかを常に実感する習慣をつけましょう。温度が高くなったらエアコンで室温を調整するなど快適な睡眠の取れる室温に設定しましょう。
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