クマふと通信2023年9月号
Kumaft Tsushin
~他人事から、自分事に~ もっと知ろう認知症
9月21日は『世界アルツハイマーデー』です。認知症の理解の向上のため9月は世界アルツハイマー月間として様々な普及啓発活動が行われています。2025年には65歳以上の方の5人に1人が認知症になると言われていて、その数は700万人と推計されています。誰にとっても認知症は身近になってきた現在、認知症を『自分事』として捉え、知り、備える事が大切になってきます。今回は認知症についての正しい知識をご紹介して参ります。
認知症の種類
一言で認知症と言っても様々な病気が原因となっています。ここでは主なものを紹介して参ります。
①アルツハイマー型認知症
認知症発症者の6~7割を占める代表的な病気です。もの忘れが目立つ所から始まる事が多く、初期症状では買い物なども出来ますが症状が進行してくると1人での外出が困難になり、着替えなど日常生活のルーティンも難しくなってきます。
②血管性認知症
脳梗塞や脳出血などの疾患を元に認知機能低下をきたす病気です。手足の麻痺や言葉が出にくいなどの症状を伴う事も多くみられます。
③レビー小体型認知症
そこにいない人や動物などが見えるなどの幻視を伴う事が多い病気です。小刻みの歩行や手足が震えるなどのパーキンソン症状や睡眠中に大きく手足を動かしてしまうレム睡眠行動障害を伴う場合もあります。
④前頭側頭型認知症
万引きなど常識から逸脱した行動をしてしまったり、決まった時間に決まった行動を取る時刻表的行動や脱抑制が目立ったり、逆に感情が鋭敏になり他人に共感出来なくなるなどの症状をきたします。
認知症と診断されるまでに
認知機能検査、採血や頭部画像検査などでどのような病気が原因なのか見極め、病気ごとに投薬等の治療を行います(写真は飲み忘れる事がない貼り薬タイプの認知症治療薬)。当ページをご覧のお客様ご本人や大切なご家族などが認知症と診断された時には慌てずに少しでも早く希望を見つけるため、次の3つのヒントに沿って行動しましょう。
①誰もが高齢になることに備えましょう
記憶力・判断力は年齢と共に弱まるのが常識です。自分だけの記憶や判断ではなくご家族やご友人の力も借りて、確認して行動する習慣を身につけておきましょう。
②誰でも認知症になるかもしれないことに備えましょう
認知症と診断されても生活が急変する事はありません。生活全般を保つために適度な運動、食事、睡眠を取りましょう。心身の機能を保つために誰かの役に立つ事や趣味などを楽しみながら継続しましょう。
③体調の変化に敏感でいましょう
他の病気と同様に、出来る限り早く正確な診断を得ることで適切な治療や介護を受けることが可能になります。そのためわずかな体調の変化に気付けるよう心掛けましょう。
認知症早期発見の目安
日常生活の中で、認知症の始まりではないかと思われる言動を表に纏めてみました。もちろん個人差はありますが目安として参考にしてみて下さい。
もの忘れがひどい | □今切ったばかりなのに電話の相手の名前を忘れる □同じ事を何度も言う・問う・する □しまい忘れや置き忘れが増え、いつも探し物をしている □財布や衣類などを盗まれたと人を疑う |
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判断力・理解力が衰える | □料理・片付け・運転などでミスをする事が増えた □新しい事が覚えられない □話の辻褄が合わない □テレビ番組の内容が理解できなくなった |
時間・場所が分からない | □約束の日時・場所を間違えるようになった □慣れた道でも迷う事がある |
人柄が変わる | □些細な事で怒りっぽくなった □周りへの気遣いがなくなり頑固になった □自分の失敗を人のせいにする □「この頃様子がおかしい」と周囲から言われたことがある |
不安感が強い | □一人になると怖がったり寂しがったりする □外出時に持ち物を何度も確かめる □「頭が変になった」と本人が訴える |
意欲がなくなる | □身だしなみに気を遣わなくなった □趣味や好きなテレビ番組に興味を示さなくなった □塞ぎ込んで何をするのも億劫がり嫌がる |
認知症の症状の変化や見通し
認知症は5年、10年という単位で長い時間をかけて徐々に進むことが多いです。
病気にもよりますが、発症初期はもの忘れが目立つものの近所での買い物や慣れた調理など
は出来ますが、進行してくると着替えなどの動作やトイレの利用や入浴なども難しくなってきます。とは言え認知症と診断されることが介護の始まりではありません。
ご家族の近い未来を想定して転倒防止などに配慮したバリアフリー・ストレスフリーのお住まいに改修していくことも重要ではないかと思われます。実績豊富なクラフトホームにどのような事でもお気軽にご相談下さいませ。