クマふと通信2023年6月号
Kumaft Tsushin
マダニが媒介する感染症にご注意ください!
マダニが媒介する感染症で、悪化すると死亡する恐れのある「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の感染者が増加しています。感染地域は西日本が中心でしたが、近年は東日本へとじわじわと拡大しています。野山や草むらなどでヒトがマダニに咬まれるだけでなく、感染したネコやイヌとの接触で飼い主や獣医師らにうつるという感染ルートも確認されています。
今回はマダニが媒介する感染症についての正しい知識と対策についてご紹介して参ります。
SFTSとは
2011年に中国で初めて報告されたウイルス性出血熱の一つです。国内では2013年に山口県で初めて確認され、中国・九州地方を中心に感染者が拡大しています。草むらや畑などでSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。6日から2週間の潜伏期間ののち、主に発熱・頭痛・筋肉痛、おう吐・腹痛など消化器症状、意識障害などの神経症状、さらに腸などに出血が現れます。
現在のところ、有効な治療薬やワクチンはなく発症した場合には対症療法が必要です。
増加する感染者
SFTSの感染者は増加傾向にあります。2019年には100人を突破し2022年には118人に達しています。一方、感染地域も中国・九州・四国など西日本が中心でしたが徐々に東へと進んでいます。2021年には愛知県と静岡県で、2022年には富山県で初確認されました。
SFTSウイルスを保有するマダニが、イノシシやシカなどの野生動物にくっついて運ばれ生息域が拡大していると推測され、さらに屋外で飼育されているペットのネコやイヌとの接触という新たな感染ルートが報告されるようになりました。
日本医療研究開発機構(AMED)の統計によると、2017年から2022年末までにネコ598匹、イヌ36匹の感染が確認されています。感染研によると、ネコやイヌなどの診療を通じて感染したと推定される獣医療関係者は2018年以降で計10人に上ります。感染したペットの体液には大量のウイルスが含まれており、おう吐物や排せつ物に何らかの形で接触することにより感染してしまうのです。また、野良猫などに噛まれたり引っかかれたりすることでウイルスが体内に侵入するケースも考えられます。
マダニの特徴
マダニは家の中にいる小さいダニと違い、体長3~4ミリほどの大きさで森林地帯や草地に生息しています。草の上で待ち伏せて近くを通った人や動物に取り付いて血を吸います。その際、頭部を皮膚に食い込ませるので一度寄生したらなかなか離れません。
これからキャンプやハイキング、ガーデニングなどで草むらで活動する機会がで多くなる季節になりますので咬まれないようにご注意下さい。また、イヌなどのペットの散歩で草むらを歩かせるのは出来るだけ避けた方が良いでしょう。
イヌやネコが感染した際食欲低下や嘔吐、下痢、黄色い尿が出るなどの症状がみられます。致死率はネコで60%程度、イヌでは40%以上とされます。ペットの体調の変化にも注意し不安な症状がみられたら獣医師に相談しましょう。
マダニから身を守るには
例えばに庭の草むしりをする時でも、肌の露出を少なくするために出来るだけ長袖・長ズボンを着用し、帽子・手袋、首にはタオルを巻くなどの対策をしましょう。さらに隙間からマダニが侵入しないよう、シャツのすそはズボンの中に、ズボンのすそは靴下や長靴の中に入れるようにします。
万が一マダニに咬まれてしまったら、無理に引きはがそうとせずに皮膚科など医療機関で取ってもらいましょう。無理に引きはがそうとすると、口の一部が体内に残り化膿することもあります。マダニを取り除いた後、数週間は体調の変化に注意し、発熱などの症状があらわれた場合は医療機関を受診するようにしましょう。
現在のところ、関東地方ではマダニによるSFTS感染は確認されていません(2017年に採取した千葉県の男性の検体から発見されていますが、マダニによる感染という確証はありません)が、アウトドアレジャーの流行や野生動物の移動範囲の拡大などにより関東地方へ感染が拡大する可能性は充分に考えられます。
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