クマふと通信2021年9月号
Kumaft Tsushin
「いつも」の暮らしを『もしも』の備えに…フェーズフリー防災とは?
9月1日は防災の日。今年も大雨による土砂災害など各地が大きな被害を受けました。被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
いつどこでどんな災害が起きるか想定できない昨今、ますます防災意識は高まっていますがコロナ禍での避難生活など従来の災害対応には懸念の声も出てきています。そこで「いつも=平常時」と「もしも=非常時」の区分けを無くして、生活の延長線上で災害に備えるという考え方が注目されています。
フェーズフリーとは?
普段から防災用品や備蓄品を装備していても「非常食の賞味期限が過ぎていた」「懐中電灯の電池が切れていた」など、いざというときにうまく活用できないという例は良く聞かれます。非常時のための備えではなく、「いつも」と「もしも」を隔てる壁を無くして災害に備える、このような考えのもとで生まれたのが「フェーズフリー」という概念です。
ニュースなどで災害現場の報道を見ていたとしても、平常時には非常時の状況をイメージすることは難しいものです。まさか自分が被災するとは想像が出来ないからです。防災用品を備えても非常時にそれを使いこなせるか、など災害時を想像することと災害時に実践することでは大きな違いが生まれます。
そこで、平常時と非常時の間の壁を無くして普段の生活の延長線上に非常時を想定する暮らし方が活きてきます。例えばキャンプ用品を日常に取り入れて生活していれば、災害時でも飯ごうや土鍋でご飯を炊いたりできますし停電時でもランタンなどで灯りを取ることが可能になるわけです。
フェーズフリーを生活に取り入れるには?
こうした考え方を生活に取り入れていくには、非常時だけでなく日常でもメリットがある商品や方法を選ぶことが重要になります。
例えば、レトルト食品を普段から多めに買って常備しておいて、食べた分を買い足していくローリングストックの方法が挙げられます。普段は手軽に食事が出来て、災害時は食べ慣れた味を非常食として使用出来ます。
また、日常的に土鍋でご飯を炊くことに慣れておけば、停電時でもガスコンロさえあればスムーズに調理することが可能になります。
その他には災害時に転倒しないように家具を作りつけにしておくこともアイデアの一つです。他にはないオンリーワンの家具でインテリア性も機能性も高いという転倒防止だけではないメリットが得られます。
また、光熱費の削減になる家庭用ヒートポンプ給湯器は、タンク内の水を非常用水として利用することが可能ですし、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド自動車(PHV)は普段は低燃費な乗用車として使い、非常時は発電機として生活に必要な電力を得ることが可能になります。
コロナ禍の防災にマッチ
フェーズフリーはコロナ禍の防災にもマッチしていると言われています。不特定多数の人が生活を共にする避難所は感染リスクが高いため、安全が確保できる場合は自宅などでの在宅避難・分散避難が推奨されています。
ライフスタイルにフェーズフリーの考え方を取り入れていれば在宅避難も容易になるわけです。
リフォームでフェーズフリーの実践を
フェーズフリーはすぐに実践・導入出来るものばかりではありませんが、長期的にライフスタイルを見直していく際に少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか?
クラフトホームでは壁面やデッドスペースを活用したオーダー家具の造作や収納スペースの増設なども承っております。地震などの災害時でも転倒せずに安全・安心です。お客様のライフスタイルに合わせたフェーズフリーの導入としてもぜひご検討下さいませ。