クマふと通信2021年8月号
Kumaft Tsushin
本当は怖い? 食中毒について~その原因と対策~
夏場(7月~9月)は細菌性の食中毒の発生件数が増加する時期です。
ご家庭の食事においても発生する食中毒は原因を見逃してしまい、風邪や寝冷えなど単なる体調不良と思われがちで重症化してしまうこともあります。今回は意外と知られていない食中毒の原因や症状とその対策についてご紹介します。
食中毒の主な原因物質
食中毒を引き起こす原因物質は細菌、ウイルス、寄生虫、化学物質、自然毒などが挙げられます。
右は原因物質別の食中毒発生件数ですが、7月からの夏期に細菌による食中毒が多く発生している事が分かります。10月は野草やキノコなどの自然毒が、そして1月から3月にはウイルスが多くなっています。特にご家庭での食事でも発生する例が多いものについてご紹介いたします。
カンピロバクター(細菌)
ニワトリやウシなどの腸管内にいる細菌で少量の菌数でも食中毒を引き起こします。
鶏ささみの刺身などや焼き鳥など半生・加熱不十分な鶏肉料理で多発しています。食後1~7日で発症し下痢や腹痛、発熱などを引き起こします。稀にギラン・バレー症候群という重病に陥るケースもありますので注意が必要です。
熱に弱い細菌ですので生食用以外の鶏肉は十分加熱しましょう。
サルモネラ(細菌)
ヒトや家畜の腸管内だけでなく河川や下水など広く生息しています。
卵や牛・豚・鶏などの食肉が原因になります。食後12~48時間で発症し腹痛や下痢、発熱、嘔吐を起こします。生卵(卵かけご飯)による食中毒で死亡事故が起きたケースもあります。割った卵を常温で放置したり、食べ残した卵かけご飯を冷蔵庫で保存するのは危険です。卵を生で食べる際には賞味期限に注意が必要です。
また、乳幼児や高齢者、妊娠中の女性や免疫機能が低下している方などは生食は控え、しっかり加熱調理しましょう。
黄色ブドウ球菌(細菌)
ヒトを取り巻く環境中に広く分布、鼻腔や咽頭、腸管内にも生息しています。特に手指の傷口には多量に含まれます。
調理時に食品中で増殖し熱や消化酵素に強い「エンテロトキシン」という毒素を作り、食後3時間程で嘔吐や下痢などの症状を引き起こします。通常は24時間程度で改善しますが脱水症状などを残すこともあります。
おにぎりや寿司、サンドイッチなど手で直接食材を加工する際は手指の傷口はしっかりガードし、調理用手袋を使用しましょう。
ノロウイルス(ウイルス)
12月~3月の冬場に多く発生します。ノロウイルスは細菌より小さくヒトの体内(小腸)でしか増えません。自然界での抵抗性が強く長期間生存します。牡蠣をはじめとする二枚貝が原因となる事例が多く、家庭よりも飲食店や事業所などで集団感染を引き起こす事で知られています。
食後1~2日で吐き気、嘔吐、下痢や腹痛などを引き起こします。通常3日程度で回復しますが乳幼児や高齢者などは重症化するケースもありますので注意が必要です。
アニサキス(寄生虫)
線虫の一種でサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、イカなどの魚介類に寄生します。
アニサキスが寄生した魚介類を生又は生に近い状態で食べると、ヒトの胃や腸壁に侵入し胃腸炎を起こす、いわゆるアニサキス症の原因となります。食後8時間以内に激しい腹痛や嘔吐を引き起こします。アニキサス症が疑われる場合は医療機関の受診が必要です。
生食(刺身)の際はしっかり目視して除去しましょう。それ以外は十分な冷凍と加熱で死滅させましょう。
家庭でできる食中毒予防の6つのポイント
食品の購入時:消費期限などの表示をしっかりチェックし肉や魚は一番最後に購入しましょう。他の食材に汁がつかないよう、それぞれ分けて包みましょう。
家庭での保存:帰宅したら食材はすぐ冷蔵庫へ入れましょう。冷気庫の流れが悪くなりますので詰め込み過ぎはNGです。
下準備:しっかりとこまめに手洗いすること、清潔な器具やふきん・タオルを用いることが重要です。肉や魚の調理に使った包丁やまな板はよく洗い熱湯をかけましょう。
調 理:調理前にも手洗いを。清潔なキッチンでしっかり加熱を。
食 事:食前・食後にもしっかり手洗いをしましょう。料理は長時間室温で放置しないようにしましょう。
残った食品:冷蔵庫に入りっぱなしの食材は溜めないように思い切って処分しましょう。
ご家族の健康を考えたキッチンリフォームを…
ご家庭での食中毒予防のポイントはやはり「清潔さ」です。毎日使うキッチンはお手入れが簡単でなのに常に清潔。ヌメリを抑えて除菌もできる「きれい除菌水」で包丁やまな板も常に清潔に…クラフトホームではそんなキッチンリフォームをご提案致しております。リフォームの事ならクラフトホームにご用命下さい。
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